食の安全のためには、食品の品質検査はどうしても欠かせないものです。たとえば今までに中国の上海市の食品会社が使用期限切れの食肉を使って加工した食品を販売していた問題では、この会社と取引のあった日本の会社やアメリカの親会社は、すべての取引を中止することになりました。
あるいはベトナムから輸入されたシシャモに殺鼠剤が含まれていたという事件もありましたが、これらの食品問題はよく耳にするニュースです。これらのことがある以上、日本では食品輸入の際に水際で止める努力がなされています。それが品質検査です。
食品検査の方法
食品検査自体は、国産であれ輸入品であれ必ず行われます。これは当然のことで、それらの安全性を確かめるために食材そのものや加工する製造段階、そして完成後の販売までの過程において様々な検査が行われます。そしてその検査方法ですが、大きく分けて四つあります。
まず一つ目は人工培地を使って細菌を発育させて行う培養検査法、二つ目は自動機器や簡易キット、同定試験薬などによる迅速簡便法、三つ目は病原体に特徴となる遺伝子を証明することでなされる遺伝子検査法、最後はウイルス検査のために培養細胞や受精鶏卵を使った生物学的検査法です。
また、輸入食品に関してその監視は検疫所で行われますが、まず最初に輸出国の衛生状況に関した検査結果と証明書による審査、次に輸入業者からの届出書類の審査、そして過去における同様の食品での違反事例の有無、原材料や製造の仕方を調査します。これと同時に任意に検体を採取して安全性や規格などの検査を行います。
品質の良い輸入食品を得るために
毎日輸入されている海外の食品は、上記のような方法によって厳しく検査されて私たちの手元に届きますが、これらは最低限の基準であって、海外食品の品質を保証するものではありません。そこで問題になってくるのが、その食品がどこで生産されたかということです。日本における食品衛生法のような法律で厳しく定められている国の物なら日本と同様に間違いはないでしょう。
また、コーヒーならブラジル、ワインならフランスというようにその国の特産物ならば品質が高い可能性が大きくなります。そして、その食品を輸入している業者が比較的大手で信用のおける会社ならば、その会社が信用をかけてセレクトした食品ですから、ある程度の品質は保証されています。安全で品質の良い輸入食品を手に入れようと思うのなら、信用のおける輸入業者が取り扱っている、その国の特産品を選ぶのが、一番手軽な方法です。